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手元供養に関するメリットとデメリットを解説いたします。

手元供養に関するメリットとデメリットを解説いたします。

2024年02月28日 18:41

時代の変遷と共に、私たちのライフスタイルは大きく変化し、それに伴い供養の方法も多様化してまいりました。伝統的な墓地での遺骨の納骨ではなく、ご遺骨の一部または全てを身近に置いて供養する、いわゆる「手元供養」という方法を選択される方が増えてきております。本稿では、手元供養とは何か、そしてそのメリットとデメリットについて丁寧にご説明いたします。


■目次

1.手元供養とは?


2.手元供養のメリット

2.1 故人を身近に感じられる

2.2 墓地の管理が不要

2.3 経済的な負担の軽減

2.4 スペースを取らない

2.5 インテリアとしての活用

2.6 宗教・宗派を問わない供養


3.手元供養のデメリット

3.1 家族・親族の理解を得にくいことがある

3.2 他者によるお墓参りがしにくい

3.3 災害時の紛失リスク

3.4 管理者の不在時の対策が必要


4.まとめ

1. 手元供養とは?

手元供養とは、ご遺骨を全てまたは一部をご自宅に保持し、供養する方法を指します。2000年代以降に広まり始めたこの方法は、多くの方に選ばれるようになりました。ご遺骨をミニサイズの骨壺やペンダント、あるいはダイアモンドに加工して身近に置くなど、様々な形で行われています。

2.手元供養のメリット

手元供養における六つの重要な利点について、ご紹介いたします。


2.1 故人を身近に感じられる

手元供養の最も大きな利点は、愛する故人を常に身近に感じることができる点にございます。伝統的にお墓に遺骨を納める場合、故人を身近に感じられないとお感じになる方もいらっしゃることでしょう。特に、お墓が遠方にあるため訪れることが難しい、または多忙でお墓参りの時間が取れないという場合には、故人を偲ぶこと自体が難しいと感じられるかもしれません。


このような際には、アクセサリーとして身につけることで、どこにいても故人の存在を感じることができます。また、手元供養であれば、お墓参りの際に必要とされる地域のルールやしきたりに縛られることなく、自由に、心に沿った方法で供養を行うことが可能です。分骨により一部を手元に、残りをお墓に納める選択もあり、この方法を選ばれる方が多いです。


2.2 お墓の管理が不要に

お墓が寺院や霊園にある場合、故人の墓石の掃除や周囲の草取りなど、維持管理を行う必要があります。これらは通常、故人の家族や親族が行うものですが、お墓の近くに住んでいない場合には、これらの管理作業が難しいこともあります。全骨を手元供養にすることで、これらの煩わしいお墓の管理から解放されます。


2.3 コストを抑えることができる

お墓に遺骨を納め、管理する場合、墓石の石材代や施工費、さらには永代使用料や年間の管理費など、多額の費用が発生します。特に都市部の霊園では、これらの費用が高額になりがちですが、手元供養であれば、これらの費用を一切負担する必要がありません。


2.4 大きなスペースを取らない

多くの方が仏壇を置くスペースの不足を理由に手元供養を選ばれます。手元供養に使用される供養品は、小さいものがほとんどであり、仏壇のように大きなスペースを必要としません。また、湿気による遺骨の劣化を防ぐための保管方法も提供されています。


2.5 インテリアとしても機能

手元供養品は、デザイン性に富んでおり、お部屋のインテリアとしてもご利用いただけます。これにより、来客時の心配もなく、故人を偲びながらも美しい空間を保つことができます。


2.6 宗教・宗派を問わない

手元供養は、どのような宗教、宗派に属していても、一貫して行うことができます。これにより、故人と異なる宗派に属する場合でも、問題なく供養を行うことが可能です。


以上が、手元供養を選択する際の主なメリットでございます。故人を偲び、供養する方法として、これらの点をご考慮いただければ幸いです。

3.手元供養のデメリット

四つの注意点についてご説明いたします。


3.1 家族や親族の理解を得ることの重要性

手元供養を行う上での大きな課題の一つは、家族や親族の方々からの理解を得ることが難しい場合がある点です。ご遺骨は家族や親族みんなの大切なものであり、手元に留めて供養するためには、全員の同意が求められます。


手元供養は比較的新しい供養の形態であるため、特に伝統を重んじる年配の方々からの理解を得るのが難しい場合があります。しかし、これはあくまで伝統や慣習に基づくものであり、仏教の教えにおいて違法などではありません。家族や親族と十分に話し合い、理解と同意を得ることが重要です。


3.2 他者によるお墓参りの困難さ

全骨を手元供養にすると、お墓が存在しないため、故人と親しかった友人や遠方の親族にとっては、お墓参りをすることが難しくなります。これは、故人を偲ぶ場所が私的な空間に限定されるため、訪問が難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。葬儀時に手元供養の旨を伝え、「いつでもお越しください」という心温まるお誘いがあれば、訪問しやすくなるでしょう。


3.3 災害による紛失のリスク

津波や火災などの災害が発生した場合、手元に置かれた遺骨は紛失するリスクがあります。お墓にも一部を納めていれば、すべてを失う心配は軽減されますが、全骨を手元供養している場合は特に注意が必要です。災害の可能性を踏まえ、手元供養を選択する際には慎重な検討が求められます。


3.4 供養品の将来的な管理計画

手元供養で遺骨を管理していた方が亡くなられた場合、その後の管理について計画を立てておく必要があります。亡くなった方と共に供養品を棺に納める、または別の親族が引き継ぐなど、将来のことを見越して準備をしておくことが大切です。


4.まとめ

手元供養には様々なメリットがありますが、同時にいくつかの注意点もございます。故人を身近に感じることができる貴重な供養方法である一方で、これらの点を慎重に考慮し、ご自身やご家族が納得のいく供養方法を選択されることをお勧めいたします。